日本時間2024年4月14日(日)午前7時から、ついに待ちに待ったUFC300が開催されます。
UFCはナンバーシリーズと言われる数字のついた大会を毎月開催しており、今回は300回の節目の記念大会。さすが記念大会だけあっていつものナンバーシリーズより豪華で楽しみなカードが揃っています。
今回の記事では、よりUFC300を楽しめるよう見所解説と、個人的な勝敗予想をしていこうと思います。
まず第一回は、一番楽しみなジャスティン・ゲイジーvsマックス・ホロウェイの試合から。
選手紹介
ジャスティン・ゲイジー
- 25勝4敗 20KO
- 現在ライト級2位
- 元UFCライト級暫定王者
- 35歳
- 身長180cm
- リーチ177cm
ジャスティン・ゲイジーの異名は”The Highlight”。その異名の通り、豪快なパンチを武器にKOを量産し、ハイライトシーンを数多く作ってきた人気選手です。
直近の試合で同じくライト級上位ランカーのポイエーにハイキックで衝撃のKO勝ちを収め、BMFベルトを獲得しています。
強烈なパンチとローキックが魅力のゲイジーですが、実はオールアメリカンチームに選ばれるほどのレスリングエリートでもあります。前々戦のラファエル・フィジエフ戦ではテイクダウンも披露し、レスリング能力の高さも見せました。
ハイキックを取り入れたり、レスリングを取り入れたりと、30代半ばにしてファイトスタイルの進化が止まらない選手です。
マックス・ホロウェイ
- 25勝7敗 11KO
- 現在フェザー級2位
- 元UFCフェザー級王者
- 32歳
- 身長180cm
- リーチ175cm
対するホロウェイは主にフェザー級を主戦場に戦っており、前王者のヴォルカノフスキー以外にはここ5年近く負けていない選手。元フェザー級のチャンピオンでもあり、タイトルを過去3度防衛しています。
武器はなんと言っても精度の高い打撃と、これまで一度もダウンしたことがないという驚異的な打たれ強さ。あのコナー・マクレガーですら、ホロウェイとは打撃戦を避けて自らテイクダウンに行く場面がありました。
直近ではタフなコリアンゾンビことジョン・チャンソンにKO勝ちし、実力は健在です。
二人の過去試合はこちらから。
ゲイジーのKO集
注目ポイント
BMFタイトルの行方
この試合にはBMFベルトがかけられています。
BMFベルト… Baddest Mother F*ckerの略で、UFCで最もイカしたやつに送られる記念ベルト
去年のポイエーvsゲイジーの試合(こちらの記事でも紹介しています)にて衝撃的なハイキックでゲイジーがポイエーをKOし、BMFベルトを勝ち取りました。今回はゲイジーの持つBMFベルトにホロウェイが挑む形です。
人気者ですが、悪い奴というイメージは全くなく、むしろ人間的にすごく良い人そうな両者。この二人でBMF?とは思いますが、果たしてベルトの行方はどうなるか…。
そもそも、二人とも上位ランカーで、直近の試合も印象的な勝ち方をしているので十分正規ベルトに挑戦できる位置にいます。そんな状態で、二人がこのベルトをどれほど欲しがっているのかにも注目したいです。
ゲイジーの破壊力 vs ホロウェイの打たれ強さ
パンチ一発一発の破壊力がとんでもないゲイジー。
対するホロウェイは、まだ一度もダウンしたことがないという無類の打たれ強さを誇ります。そんなゲイジーの破壊力が勝るのか、それともホロウェイの打たれ強さはゲイジーの打撃を受けても健在なのか、が注目ポイントです。
ゲイジーの打撃は、前ライト級チャンピオンのチャールズ・オリヴェイラをして、
「対戦した選手の中で最もパンチが重かったのはゲイジー」と言わしめたほど。そんなゲイジーの打撃に、本来フェザー級のホロウェイの打たれ強さが通じるのか。
ちなみにホロウェイの打たれ強さは、天性のものによるところが大きいでしょうが、練習でガチスパーリングをしないことによる影響もあるのかなと思っています。練習によるダメージがない分、こんなに激闘を繰り返しても打たれ強さが残っているのでしょう。
両者の体格差
次に注目すべきは、デビュー以来ずっとライト級で戦っているゲイジーと、フェザー級を主戦場としているホロウェイの体格差です。
ライト級のゲイジーの方が体格に勝ると思われているかもしれませんが、個人的には「両者の試合時の体格はほぼ同じか、むしろホロウェイの方が若干大きいのではないか」と思っています。
理由は両者の減量幅。ゲイジーはほぼ減量しないことで知られています。インタビューによると、前々回のフィジエフとの試合で初めてちゃんと減量したそうです。
それに対しホロウェイはかなり減量して、試合時には体重を戻しています。通常体重は85kgくらいだとか。ライト級での試合も何度か経験しています。
両者ともに身長180cmで、リーチもほぼ同じというデータを見ても、ほぼ体格差はなく、むしろ戻し幅の分ホロウェイの方が当日体重は重いのではないか?と思っています。オクタゴンで対面した時の二人の体格に要注目です。
ゲイジーのローキックにホロウェイがどう対処するのか
個人的に一番気になるのは、ゲイジーの強烈なローキックにホロウェイがどう対処するのかです。
ゲイジーと言えばパンチの他に、素早く強烈なローキックでも有名な選手。そのローキックをホロウェイがどうするか。ホロウェイは試合で脚を上げてローキックをカットすることはほぼなく、まともにもらっている場面も多いです。
今回はさすがにゲイジーのローキックには対策を考えてくるはず。個人的には、フットワークを積極的に使ってサークリングし、ゲイジーにローキックを蹴りづらくさせるのではないかなと思います。回って動く相手にローキックは当てづらいので。
前々回のアーノルド・アレン戦を見ても、ホロウェイのフットワーク、アウトボクシング技術はますます磨きがかかっていると思うので、フットワークと距離でローキックを外す戦法をとってくるのではないでしょうか。
逆に無策だと早々に脚を効かされてしまい、動けなくなったところにパンチを入れられて初のKO負けもあり得ます。
勝敗予想
さて、個人的な勝敗予想ですが、
マックス・ホロウェイの判定勝ち
にしておこうと思います。
これはかなり悩みました。ゲイジーのKO勝ちも全然あり得ると思います。
展開としては、終始スタンド打撃が最後まで続くと思います。組や寝技の展開になることはまずないでしょう。
スタンドの展開の中で、全体的なストライキング技術、ボクシング技術に勝るホロウェイが手数の差とクリーンヒットの差で判定勝ちするという予想です。ホロウェイは被弾も多いですが、近年はまともにもらってる印象はないので、ゲイジーのパンチをもらうとしても多少威力は殺した状態になると思います。なのでなんとかKOはされずに持ち堪えるのではないかなと。
ジャブ、ストレート、ローキック、ミドルキック、ハイキック、膝蹴り、肘打ちと多彩な打撃のコンビネーションを打ち込むホロウェイが、ゲイジーを苦しめる気がします。ゲイジーはホロウェイ以上に被弾が多くディフェンスに難がある選手ですから。
ちなみに、両者と二回ずつ対戦しているダスティン・ポイエーも同じくホロウェイの勝利を予想しています。
というわけで、今回はUFC300の注目カードであるホロウェイとゲイジーの試合の注目ポイントと、勝敗予想について解説しました。
今後、他の注目カードについても書いていく予定なのでぜひチェックしてください。
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