【UFC302】マカチェフvsポイエー見所解説・勝敗予想

makhachevpoirier MMA
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日本時間6月2日(メインカードは11時頃〜)行われるUFC302。

そのメインを飾るのは、
UFC世界ライト級タイトルマッチ:イスラム・マカチェフvsダスティン・ポイエーの試合です。

現在のUFC PFP1位であるマカチェフの久しぶりのタイトル防衛戦ということで、非常に注目度が高い今回の一戦。
この記事では、そんなマカチェフvsポイエーの見所解説・勝敗予想をしていきたいと思います。

 

まずは簡単に両者のプロフィールから。

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選手紹介

イスラム・マカチェフ

  • 身長178cm
  • リーチ179cm
  • 32歳
  • 26戦25勝5KO11SUB1敗
  • サウスポー
  • ダゲスタン共和国出身
  • 現UFC世界ライト級王者
  • 現UFC PFPランキング1位

経歴

マカチェフはここ最近格闘技界で話題のダゲスタン共和国出身のファイターです。

幼少期からサンボを始め、この頃から現在まで元UFCライト級の絶対王者ハビブ・ヌルマゴメドフとトレーニングを共にしています。

2010年にMMAでプロデビューし、ローカル団体で11連勝した後UFCと契約。この頃すでに幼馴染のハビブはUFCで活躍しており、またダゲスタンの無敗ファイターが来たと話題になっていました。

UFCデビュー戦はバックチョークで勝利するも、2戦目でまさかの1R失神KO負け

しかし、その後は再起に成功し、アルマン・ツァルキャンやダン・フッカーといった強敵相手に次々と勝利を収め、UFC10連勝を記録。ついに念願のタイトルマッチに辿り着きます。

UFC280にてUFCライト級タイトルマッチでチャールズ・オリヴェイラと対戦。この頃のオリヴェイラは11連勝中と覚醒しており、直近ではポイエーとゲイジーに一本勝ちと手がつけられない状態でした。

そんなオリヴェイラ相手に、2Rでダウンを奪い、そのまま肩固めで危なげなく一本勝ち。UFCライト級王者となります。

その後、初防衛戦として当時フェザー級王者のアレクサンダー・ヴォルカノフスキーと対戦。ヴォルカノは当時UFCフェザー級史上最強王者と言われ、UFC PFP1位に置かれていました。マカチェフはこの時PFP2位であり、世界中が注目するUFC PFP1位vs2位の試合となりました。

この試合はUFCの歴史に残る大激闘となり、僅差の判定でマカチェフが勝利します。(こちらの記事でも紹介)

2度目の防衛戦には、オリヴェイラとの再戦が組まれていましたが、オリヴェイラが怪我のため欠場。試合11日前に対戦相手が変更となり、ヴォルカノフスキーと再戦します。この試合は、直前オファーで調整が上手くできていなかったであろうヴォルカノフスキーを1RハイキックでKOしました。

今回の試合は3度目の防衛戦です。

特徴

特徴はなんといってもダゲスタン仕込みのレスリングとグラップリング。ヌルマゴメドフを彷彿とさせるケージレスリングとテイクダウン、そこからのトップコントロールとフィニッシュまでの強さは現ライト級で頭1つ抜けています。

ストライキングも試合ごとに上達してきている印象で、キックボクシング的な打撃はヌルマゴメドフより上手い感じがします。特に奥足である左足のミドルキック・ハイキックが良いですね。

また、一度失神KO負けをしたこともあり、かなり慎重な性格でリスクを取らない傾向があります。そしてピンチに追い込まれた時、弱気な表情を見せることも。ここがヌルマゴメドフとの最大の違いでしょうか。

(マカチェフがオリヴェイラに勝ってチャンピオンになった試合↓)

ダスティン・ポイエー

  • 身長175cm
  • リーチ183cm
  • 35歳
  • 39戦30勝15KO8SUB8敗
  • サウスポー
  • アメリカ合衆国出身
  • 現UFC世界ライト級4位
  • 元UFC世界ライト級暫定王者

経歴

ポイエーの経歴はちゃんと語っていると長くなりすぎるのでなるべく簡潔に…。

2009年にプロデビューし、ローカル団体で7戦全勝の戦績を残したポイエーは2011年にUFCに参戦します。

UFC参戦当初はフェザー級で戦っていたポイエーは、UFC参戦後3連勝、4戦目ではマックス・ホロウェイ相手に1Rで一本勝ちを収めています。(ポイエーはホロウェイをフィニッシュした唯一の選手)

その後、UFC5戦目でコリアンゾンビことジョンチャンソンと対戦し、4Rダースチョークで1本負け。UFC初黒星を喫します。

UFC11戦目で後のライバルとなるコナー・マクレガーと対戦し、1Rに左フックを効かされそのままパウンドでKO負け。この敗戦以降、ポイエーは階級をライト級に上げています

ライト級転向後のポイエーは調子を取り戻し、アンソニー・ペティス、ジャスティン・ゲイジー、エディ・アルバレスといった強豪相手に勝利を収め、当時フェザー級王者だったホロウェイとの再戦にも勝利し、UFC世界ライト級暫定王者となります。

その後、ヌルマゴメドフとライト級王者統一戦。キャリア32戦目で初の正規タイトル挑戦も、3Rでリアネイキッドチョークを極められ負けてしまいます。

引退を匂わせたポイエーでしたが、再起し、ランカーのダン・フッカー相手に勝利。その後、因縁のマクレガー相手に2連勝し、マクレガーとの対戦成績を2勝1敗とします。

満を持してオリヴェイラとのタイトルマッチに挑んだポイエーですが、3Rでまたもリアネイキッドチョークを極められ一本負け。再起戦のマイケル・チャンドラーとの試合には勝利しますがその後ジャスティン・ゲイジーとの再戦でハイキックを当てられKO負け。

直近では当時連勝中で勢いに乗っていた若手のブノワ・サンデニと対戦。オッズ的にはポイエー不利と見られており、1Rはサンデニの組みと圧力に終始劣勢となる中、2Rにカウンターで打撃を効かせ逆転KO勝ち!この試合は痺れました。ポイエーのカッコよさが全て詰まっている試合です。

今回が自身3度目のタイトルマッチとなるポイエー。おそらく年齢的に最後の挑戦となるでしょう。これまで錚々たるメンツと激闘を繰り広げてきたものの、正規王者になれていないポイエーが、3度目の正直なるか。

特徴

オールラウンドになんでもできる選手ですが、特筆すべきはボクシングスキルです。

個人的にはライト級で最もボクシングテクニックが高いと思っています。パンチのバリエーション、顔面とボディへの打ち分け、正確性、どれをとっても一級品です。

純粋なボクシングだけでなく、ダーティボクシングと言われるMMA向けのボクシングテクニック(組んだり、押さえたり、押したりしながらのパンチなど)も非常に巧みです。

あとはサウスポースタンスから放たれるカーフキックも強烈。(ちなみに、ポイエーは堀口恭二と同じATT所属)。マクレガーとの2戦目では明確にカーフを効かせていました。

1分あたりに当ててる打撃数が平均5.45とかなり高いですが、被弾数も4.36と多く、打ち合いの激しいファイターだと言えるでしょう。

(ポイエーの前戦↓ 劣勢からのKO勝ちに痺れました)

 

注目ポイント

サウスポーvsサウスポーの打撃、そしてポイエーのカーフキック

まず注目したいのは、サウスポーvsサウスポーの打撃です。

基本的にサウスポーの選手は、相手がオーソドックスであることが多いですが、今回はお互いがサウスポー。そのサウスポー同士の打撃でどちらが主導権を握れるか。

これは明確にポイエーだと個人的には思っています。理由は二つ。

まず一つは、おそらくマカチェフがサウスポー相手を得意としていない点。

マカチェフの打撃は、基本的に奥足である左足のミドルキックや、ハイキックを積極的に蹴ってペースを掴んでいくスタイルです。パンチは基本的に右フックか左ストレートしかなく、前の手のジャブを細かく突くことはほとんどありません。

この戦い方は前の手同士がぶつかりジャブを出しづらいオーソドックス相手には有効ですが、サウスポー相手にはあまり有効ではありません。

また、サウスポー同士だと距離が近くなりやすく、リスクを避ける傾向にあるマカチェフは近い距離で打撃の交換をするのを嫌がります。さらに、マカチェフが唯一失神KO負けした相手もサウスポーで、死角からの右フックをもらってしまっていました。
以上の理由から、マカチェフはサウスポー相手の打撃が得意ではないと推察します。

理由二つ目は、ポイエーのカーフキック

ポイエーはそもそもの打撃スキルが高いのでサウスポー相手も全く苦にしていません。さらに、強烈なカーフキックがあるのでマカチェフ相手に打撃で優位に立てる可能性はかなり高いはず。今回はサウスポー同士なのでポイエーが得意な左足のカーフキックがかなり有効です。

マカチェフは左足の蹴りを出しやすくするため&タックルに行きやすくするために前足である右足に重心を置いて構えがちなので、モーションの少ないポイエーのカーフキックをカットすることはほぼ不可能だと思います。

以上の理由から、打撃ではカーフキックを中心に、ポイエーが優勢に進め、得意のボクシングでもパンチを当てることができると思います。

(マクレガーvsポイエー2↓ カーフキックが勝負を決めた試合)

マカチェフのテイクダウンvsポイエーのギロチンチョーク

続いての注目ポイントは組んだ時の展開です。

組みでは、マカチェフの特徴である強力なテイクダウンと、半分ネタにされているポイエーのギロチンチョークの戦いになると予想します。

おそらく、打撃で不利なマカチェフは積極的に組みにいくでしょう。その時、ポイエーは確実に首を抱え込むギロチンチョークを狙います。このギロチンチョークが奇跡的に極まるのか、極まらないのか。

ポイエーはヌルマゴメドフとの試合でもギロチンを狙っていましたし、前回のサンデニ戦でもセコンドから「ギロチンはやめろ!」と言われても執拗にギロチンチョークを狙っていました。そして、今回の試合に向けてのインタビューでも、必ず一度はギロチンを仕掛けるとコメントしています。

ちなみに、ポイエーはこれまで試合でギロチンチョークを極めたことは一度もありません。(本人曰く、練習ではよく極めているそうですが…)

そんなポイエーのDNAに刻まれたギロチンチョークが、ライト級最強レスラーのマカチェフ相手に極まるのか、それとも抜けられてピンチに陥るのか。注目です。

パウロ・コスタの呪いvs軽量級35歳限界説

最後の注目ポイントはジンクスになりますがパウロ・コスタの呪いvs軽量級35歳限界説です。

何だそれ?という方も多いと思うのでそれぞれ解説します。

まずはパウロ・コスタの呪いから。

パウロ・コスタは、現在ミドル級で戦うUFCの人気ファイターです。

そんなパウロ・コスタがアンダーカードで出場した大会でタイトルマッチを行ったチャンピオンは、なんと全員が負けているのです。しかも全員フィニッシュ負け

コスタがアンダーカードに出ていた時のタイトルマッチ8戦とも全てチャンピオンが挑戦者に負けています。直近では、ヴォルカノフスキーvsトプリアや、ウスマンvsエドワーズが印象的です。どちらも予想を裏切る衝撃のKO負けでした。

このジンクスを信じると、今回タイトルマッチを行うチャンピオンのマカチェフも危なそうです。

次に軽量級35歳限界説について。

これは、UFCにおいて、男子フライ級〜ライト級のタイトルマッチで35歳以上の選手は全員負けている事実を指しています。戦績なんと0勝24敗

一般的に軽量級と言われるライト級以下の階級において、35歳以上の選手は誰もタイトルマッチで勝てていないのです。直近ではヴォルカノフスキーも負けてしまいました。

今回ライト級タイトルマッチに挑むポイエーの年齢は35歳。ちょうどこの説に当てはまります。

そんなパウロ・コスタの呪いに挑むマカチェフと、軽量級35歳限界説に挑むポイエー。どちらがジンクスを破り、この試合に勝利するのか、非常に注目です。

 

マカチェフvsポイエーのオッズ

5月26日時点でStake.comが出しているこの試合のオッズは、

  • マカチェフ勝利 1.20
  • ポイエー勝利  5.20倍

です。世間的には、かなりマカチェフ有利と見られていますね。

マカチェフが現チャンピオンでUFC PFP1位。そして13連勝中なのに対し、前々回の試合でKO負けしたポイエー相手だとこのオッズは妥当かもしれません。

 

勝敗予想

さて、個人的な勝敗予想ですが、

ポイエーのKO勝ち

にしておこうと思います。

世間的にはかなり大穴予想かもしれませんが、個人的には相性的に全然あり得ると思います。

マカチェフが打撃に一切付き合わず、しつこくテイクダウンしてきたら流石に厳しいですが、前回の試合でヴォルカノフスキーをKOし、自信をつけている今のマカチェフならポイエー相手にもある程度打撃に付き合うはず。

そうなるとポイエーのカーフで足を破壊される確率はかなり高いと思いますし、マカチェフが顔面のディフェンスが甘いところがあるのでポイエーならカウンター一発でダウンを取れると思います。

心配なのは、ポイエーがギロチンにこだわりすぎている点。おそらくマカチェフ相手にギロチンは極まらないので、抜けられた後相当不利になると思います。

立った状態でのギロチンなら、抜けられた後バックを取られたリアネイキッドチョークをやられそうだし、寝た状態でのギロチンなら抜けられた後カウンターでヴァンフルーチョークを極められそうです。この展開になると中盤であっさり一本負けしそうな感じがします。

そうならず冷静にディフェンスして、打撃の時間を長く作れば、ポイエーはマカチェフをKOできるはずです。これが自身最後のタイトルマッチだと理解しているポイエーが、全てをオクタゴンで出し切ってマカチェフをKOすると信じています。

試合は、U-NEXTかUFC Fight Passで観ることができます。

 

※本ページの情報は2024年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。

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