いよいよ来月に開催が迫ったUFC300。
この記事では、前回の記事に引き続き、UFC300の注目対戦カードを紹介していきます。
今回はチャールズ・オリヴェイラvsアルマン・ツァルキャンの試合。ライト級の1戦です。
まずは両者のプロフィールから見ていきましょう。
選手紹介
チャールズ・オリヴェイラ
- 現在34勝9敗
- 34歳
- 身長178cm
- リーチ188cm
- 元ライト級チャンピオン
- 現在ライト級ランキング1位
かつてのライト級の絶対的王者であったヌルマゴメドフが引退した後にチャンピオンになり、一度防衛しましたが、続くゲイジーとの防衛戦で体重超過により王座剥奪(試合は1R1本勝ち)。
その後イスラム・マカチェフ(ヌルマゴメドフの幼馴染で現在UFC PFPランキング1位)とタイトルマッチを行いましたが、右フックでダウンを奪われその後肩固めで一本負け。
しかし、その後の前戦ではトップコンテンダーのベニール・ダリウシュ相手に1R KO勝ちを収めています。
また、オリヴェイラは、UFC最多の20フィニッシュ勝利、これまたUFC最多の16の一本勝ちの記録を持っています。
UFC参戦以前の記録も含めるとなんと34勝中31試合でフィニッシュ。判定まで行った試合が3つしかありません。
特徴はなんといっても圧倒的な柔術力。バックポジションや下からの極め力は驚異的です。
そしてムエタイベースのストライキング技術も高く、正確に相手の顎を打ち抜き打撃でもダウンを奪います。立っても寝ても、どんな状況でも試合を終わらせられる非常に観ていて面白い選手です。
オリヴェイラの過去試合(個人的に彼のベストバウトです)
アルマン・ツァルキャン
- 現在21勝3敗
- 27歳
- 身長170cm
- リーチ184cm
- 現在ライト級ランキング3位
UFCデビュー戦でイスラム・マカチェフ(現ライト級チャンピオン)と対戦し、ものすごいレスリング合戦を繰り広げた末に惜しくも判定負け。
その後順調に勝ち星を重ね、ランキングに名を連ねますが、同じくランカーのマテウス・ガムロットとの試合で惜しくも判定負け。この試合は大接戦でツァルキャンが勝っていたという声も多いです。
ガムロット戦の後3連勝。前戦ではオリヴェイラと同じくトップランカーのダリウシュと対戦しており、1Rに右膝蹴り→右ストレート→パウンドという鮮やかなコンビネーションでKO勝ちしています。
特徴は7歳から培っているレスリング力。テイクダウンしてポジションを取る能力や寝技のスクランブル争いはライト級最強クラスではないかと思っています。
また、打撃技術も毎試合良くなっている印象で、筋骨隆々の肉体からタイミングよく打撃を放ってきます。
ツァルキャンの過去試合
注目ポイント
それでは、この試合の注目ポイントを書いていきたいと思います。
どちらが打撃の主導権を取るか
まず注目したいのは、どちらが打撃で主導権をとって、良い攻撃を当てるかです。
両選手ともグラウンドが武器の選手ですが、打撃技術も非常に高いものを持っています。おそらく打撃の時間もそれなりに長くなると思います。
オリヴェイラはいつものようにガードを上げてムエタイスタイルでガンガン前に出ながらパンチ、蹴り、膝を早いテンポで出してくるでしょう。それに対し、ツァルキャンは左のリードパンチを丁寧に突きながら右ストレートや右ロー、左ミドルにつなげてくるでしょう。
おそらく打撃ではオリヴェイラが中央をとって、ツァルキャンがその回りを下がりながら回ることになるはずです。
オリヴェイラはフックを思い切りよく振り回してくるタイプには良いタイミングで打撃をもらってダウンする場面が多いですが、ツァルキャンは丁寧にジャブから打撃を組み立てるタイプなのでおそらく大きなパンチはもらわないのではないかなと。
また、ツァルキャンは右ローや左ミドルも良く打つのですが、オリヴェイラは蹴りのカットが異常に上手いので、蹴りで崩されるのも想像しづらいです。
というわけで、打撃ではオリヴェイラが上回ると個人的には予想しています。リーチにも勝る彼が正確無比なパンチと蹴りで的確にダメージを与えていくはずです。
オリヴェイラの柔術力vsツァルキャンのレスリング力
次に注目すべきは、両者のグラウンドスキルです。オリヴェイラの柔術力とツァルキャンのレスリング力どちらが勝るのか。
打撃で主導権を取られたツァルキャンはおそらく組みに行くはずです。
オリヴェイラは四つ組も恐ろしく強いですが、それでもおそらく何度かテイクダウンできると思います。そうなった時に、どちらのグランドスキルが上なのかに注目です。
オリヴェイラは柔術ベースだけあって、総合では不利とされる下のポジションになることを嫌いません。下から積極的に仕掛けて一本勝ちを狙っていきます。
対してツァルキャンはレスリングベースなので上をとり、有利なポジションをキープしようとします。寝技でのフィニッシュを積極的に狙うタイプではありません。
そんな両者ですが、個人的にはグラウンドではツァルキャン有利と思っています。
そもそも上のポジションをとった方が総合では判定的にも有利ですし、一本負けもなくフィジカルも抜群のツァルキャン相手にオリヴェイラがサブミッションを取るのは難しいと思います。体型的にも、あそこまで筋肉がついている相手を極めるのは至難の業です。
というわけで、打撃ではオリヴェイラ有利、寝技ではツァルキャン有利というのが私の予想です。
勝敗予想
さて、最後に勝敗予想ですが、個人的には
ツァルキャンの判定勝ち
かなと思います。
オリヴェイラは大好きで、またチャンピオンに返り咲いて欲しいと思っているのですが、相性的に考えて厳しい気がします。
打撃でオリヴェイラ有利とはいえ、キャリア初期に1回KO負けをしているだけのツァルキャンを倒せるほど差がある気はしません。組みついて倒されたところで、ツァルキャンが長い時間上のポジションをキープして、判定勝ちかなと。
四つ組になったところでオリヴェイラが首相撲から肘打ちや膝蹴りを効果的に放てれば、展開は変わってくるかもしれません。また、先にオリヴェイラが打撃を効かせて、ツァルキャンが焦って組みに来たところをカウンターのギロチンという展開もあり得そうな気がします。
が、やはり予想しろと言われたらツァルキャンの判定勝ちで行こうと思います。
いずれにせよ、この試合は本当に楽しみです。
というわけで、今回はUFC300のチャールズ・オリヴェイラvsアルマン・ツァルキャンの見所解説、勝敗予想でした。次回はいよいよメインカードです。
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